発育期のサッカーにおけるスポーツ外傷・障害⑧
- シンスプリント(shinsplints、疲労性骨膜炎、過労性脛部痛、脛骨内側痛症候群)-

 シンスプリントは臨床的には「運動時及び運動後に、下腿の中下1/3の脛骨(スネの骨)内側部に慢性的な疼痛と圧痛があるもの」とされています。このように、スポーツによる慢性の下腿の痛みをシンスプリントと呼んでいましたが、脛骨の骨膜の炎症、下腿骨の疲労骨折、コンパートメント症候群という病態の異なったものを含み、きちんと鑑別診断する必要があり、米国では脛骨内側痛症候群と呼ばれるようになってきています。
 シンスプリントは脛骨の後面に沿って付着し、爪先や足先を動かす後脛骨筋やヒラメ筋の付着部が刺激されて、骨膜炎を引き起こすと考えられています。脛骨の内側に沿って圧痛があり、足関節や足指を底屈したり、足部の回内で痛みがあります。また、下腿部の骨間膜が刺激されて深部の痛みとなることもあります。
 シンスプリントの原因は使いすぎによるもので、特に、成長期の脛骨や筋肉は、自分の筋肉の能力以上に使いすぎて、強い繰り返しのストレスに耐えられずに起こります。また、走り方が悪かったり、爪先が外や内を向いたりして、スネの骨がずれて使われることも原因となります(表1)。季節的には5、6月に多く、合宿後などの練習量が急に増えた時などにもよくみられ、「初心者病」とも言われています。
 X線像では、特異的な所見はないとされていますが、骨皮質の肥厚がみられることもあります。また、骨シンチグラムでは骨皮膜に沿って線状の集積像がみられます。
 ほとんどが使いすぎや疲労からくるものなので、完全休養が必要です。一般に予後は良好ですが、扁平足や足の過回内に起因する場合は再発を繰り返すので、アーチサポートやヒールパッド、内側楔状足底板などが用いられます。また、下腿筋のアイスマッサージやストレッチングなどを行います。その場片足飛びで痛みがなくなったら、早歩きから軽いジョギングを芝生や土などの柔らかいところから徐々に始め、足関節周囲の筋力強化とストレッチングを行います。